アメリカ人は転職の回数が多いと言われています。アメリカ人は一生のうちに11個の職に就くとも言われていて、平均退職回数は10回を超えています。転職回数で考えると日本の倍近くは行くため、終身雇用制度があり将来安定が見込まれている日本人の働き方を、アメリカ人は羨む方もいるのです。
一生のうち平均10回は転職をすると考えてもアメリカ人は3年以上、5年未満で転職をしています。仕事が嫌になたっときや体を壊したとき、環境になじめず人間関係が上手く進まない時など。仕事に対してストレスを持ったタイミングで転職される方が多いようですが、「その仕事をやり切ったと感じた時」も転職するタイミングとして挙げられています。
アメリカ人は転職を、人生の転機だと考えています。新しい何かを始めることは良いことであり、「不満」から「満足」に変える為の、成功のステップに過ぎないと考える方が多いのです。若い頃にやっておけばよかったなんて後悔することを嫌うのがアメリカ人であり、若い頃から老後のことを考えて不安になってしまうのが日本人だという特徴が明るみに出ていますね。
日本では一時期「ニート」という言葉が流行りましたね。働かない者たちを総称してフリーターと呼びますが、その他にも第二新卒や既卒求人など総称した呼び名が増え就職活動や転職活動も盛んになりました。新卒は就職なんだと言われていますが、転職は今が最もしやすい時期だと考えられます。なぜかというと、日本もアメリカのようになりつつあるからです。
日本人は近年、転職される方がどんどん増えて転職タイミングも最短で2年、最長で10年と短いスパンも多くなってきました。転職を考えるタイミングは人それぞれですが、短い人では1年に3度以上転職を経験される方もいます。失業手当や再就職手当など転職へのサポートが手厚い時代ですから、アメリカのようになってきていると言っても過言ではありません。
「未経験」「転職」「再就職」こういった言葉が日本人にとっては“チャレンジ”と言う言葉に変換されるようになってきました。20代では第二新卒、既卒などキャリアの浅い応募者として転職が有利であり、即戦力となるであろう30代。10年以上働き失業手当が手厚い40代など、どんな年齢でも「転職」=「チャレンジ」という考え方に変わりつつあります。
不本意な転職や、不満や不安によるストレスからの転職。理由は様々ですが「今ある働き先を失うのが怖い」という恐れが消えつつあるように感じます。日本人も「もっと良い環境で働きたい」「もっと高い賃金で働きたい」という欲求が増えてきたのではないでしょうか。そこで、人々は転職を前提とした就職が当たり前のようになっています。可能性が広がっている、道が切り開きやすい時代であり将来に不安を覚える者が少ない、少し危ない時代だとも言えますね。